西域(せいいき)
中国人が中国の西方地域に対する総称として用いた語。一般に、中央アジア・西アジア全域、時にはインドを含めていう。狭義では、漢代に西域三十六国と総称されるオアシス都市国家が分立したタリム盆地をさす。中国と西方を結ぶ交易・軍略上の要衝で、漢代以降、都護府が置かれ、清代に中国の完全な支配下に入った。
前報(聖なる植物(1)(2))では,『銀河鉄道の夜』の天上に登場する植物には段階性があり,植物は「俗」から「聖」の順序で配置されていることを報告した。「聖」として登場するのは「楊」,「唐檜」,「もみ」そして「くるみ」である。本稿では物語の天上で最後に登場する「くるみ」について考察する。また,「聖」へ移行する直前の場面で登場する「河原なでしこ」についても言及する。 1.「くるみ」は聖樹 最終章後半で登場してくる「楊」,「唐檜」,「もみ」が「聖」なる植物であるのなら,最後に登場する「くるみ」は「聖」そのものを象徴する植物であろう。物語では,キリスト教徒の姉弟と青年がサウザンクロスの停車場で降り,十…
スウェーデンの地理学者にして、その学術上の発見・探求のため、中央アジアを中心にユーラシア大陸を広く踏査・探検したスヴェン・ヘディン。 我が国におけるそのヘディンの著作集としては、1960年代に白水社から発行された「中央アジア探検紀行全集 全11巻」がまず挙げられる。 しかし、それから約10年を経、その11巻をほぼ包含する形で「探検紀行全集 全15巻+別巻2」が同じ出版社から刊行され、これが日本ではほぼ決定版と見做されるようだ。 ついでに言えば、さらにまた10年後、そのダイジェストとも言うべき「探検記 全9巻」が、やはり白水社から出されている。 // この内の「探検紀行全集」を、私は例によって古…