展覧会『第21回 大学日本画展 東京藝術大学日本画第二研究室六人展 まなざしのむこう』を鑑賞しての備忘録 東京藝術大学大学院美術研究科・日本画第二研究室出身の澤﨑華子、古山結、角谷紀章、小田川史弥、張騫、宇野七穂の6名の作家を紹介する企画。 小田川史弥の作品について《月が眩しい》(1400mm×1620mm)は、川縁で月に背を向けて立つ男の姿を描く作品。川面はピンク色に明るく輝き、そこに揺れる黄色い月影――周囲の明るさからすると満月であり、その形から真夜中に南中しているのだろう――は、右手で顔を覆いながら立つ群青で表わされた男によって2つに断ち切られ、恰も目玉焼きの半熟卵にナイフを突き入れ溶け…