-----講義録始め------ しかし、注意しなければならないのは、2つの専門家を適切に組み合わせることがいつもできるとは限らないことです。ここでは、どこまで専門家や専門職に委ねるのかが絶えず問われることになります。専門家が重要だとしても、民主的な基盤を持たない専門家が決めて良いことにはなりません。言い換えれば、政策領域に関する専門家を使った判断が尊重されることを自立性と捉えることによって、どのような限界があるのか考えていきましょう。 最初に取り上げるのは、評価的活動の自立性です。評価的活動を担う組織を制度的に分離すれば、それだけで自律性が確立できるわけではありません。そのことは、例えば権力…