「全財産を株式に集中させれば複利効果を最大化できる」という考え方は、個人の属性やライフステージを無視して適用すれば、資産形成初期に陥りやすい危険な思い込みである。独身で収入が安定している層と、子育て世帯や事業を営む層とでは、必要な現金クッションの厚みは全く異なる。数字上の効率だけを追い求めて手元に現金を残さないアプローチは、一見すると合理的極まりないように見える。しかし、投資の現場において現金の果たす役割は「資産を増やすこと」ではなく、暴落や人生の予期せぬ危機に際して精神の崩壊を防ぐための「絶対的な防衛シールド」である。 相場は常に合理的な動きをするわけではない。過去の歴史を振り返っても、IT…