ある作家のエッセイを読んでいたら、自身のブログについての話があった。ひと月のアクセス数が三百万を記録したとある。パソコンが苦手で、これまでも人に勧められて何度かwebサイトをつくったもののつづかなかったはず。でも、今回のブログは順調に更新しているんだなあ。と思い、見に行って驚いた。誰と対談で会った、どこそこでこんな服を買ったという話が写真とともにアップされているのであるが、「へえ、そうなんだー……」以上の感想が生まれない。はっきり言って、ものすごくつまらなかったのだ。その作家の文庫本になったエッセイはすべて読んでいるし、講演会に行って手紙を渡したこともある。そんな三十年来の読者である私がブック…