全国には「和田」がつく地名が実に多い。概ねその多くはかつて海人族(あまぞく)が殖民した地である。海人族の祭る神(祖神)は「大綿津見神」であるが綿(ワタ)は海を意味する。和田はワタが転訛したもので、輪田、波多、畑、半田、八田なども同様である。よって大綿津見神を祀っている神社も全国に多い。 海人族は航海術や漁労に優れた民で歴史以前より日本各地に移住し殖民しそこで共同体を営んできた。やがて海部(部民)として朝廷に仕えることになるが、今でも海部郡として地域名にも残っている。そこは海人族の末裔が住む地なのである。海幸山幸、浦島太郎、羽衣伝説、竹取物語などは海人族由来の伝承譚である。それほどまで海人族の精…