真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。 ポイント 賀茂の競馬で、木の枝で眠る法師を笑う人に、死を忘れた我々こそ愚かだと諭し、席を譲られたという逸話。 『徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース 🌙現代語対訳 五月五日に、賀茂の競馬を見物しましたところ、 五月五日さつきいつか、賀茂かもの競馬くらべうまを見み侍はべりしに、 牛車の前に大勢の人が立ちふさがって、見えなかったので、 車くるまの前まへに雑人ざふにん立たち隔へだてて、見みえざりしかば、 皆で牛車か…