神学校への入学、卒業のためにあらゆるものを犠牲にした哀れな少年の物語。元来、心優しい少年の性格が屈折していく様は現代の受験競争で疲弊していく子供にも見ることができるだろう。ただ、受験中の子供にこの書籍を読ませた方がいいかといったら疑問、精神が壊れる寸前なら見せるべきだが、勉学を怠る言い訳材料になりかねない。ただ、教育に厳しい親や教員は読んだ方がいいと思う。 日本でも、学生時代に我慢を強いられ、屈折した性格をもった人間がある程度のポジションについて国民を痛めつける例が多々あるように見受けられる。(例:財務官僚)成長過程で優しさに触れず、屈折した人間が国家を運営すれば当然の帰結といえば当然である。…