ポルフィーリィが思いがけず退場してしまったので、ここからはスヴィドリガイロフとの思想闘争になる。曖昧にしかわからなかったスヴィドリガイロフの過去が明らかになっていく。 3.ラスコーリニコフはスヴィドリガイロフを探す。家族に犯行が知れるのは、ポルフィーリィからの線は消えたが、スヴィドリガイロフがドゥーニャ経由で伝えるかもしれないし、ラズミーヒンを篭絡するかもしれない。その前に決着をつけたい。朝4時(白夜なのですでに昼と同じ日差し)、ふだん行かない横丁にいったら、安料理屋でスヴィドリガイロフを見つけた。知らんふりをするつもりであったが、互いに相手を見つけたので、ラスコーリニコフは入っていき席を同じ…