「青春18きっぷ」が今冬から様変わりに『有明抄(241105佐賀新聞)』は思う◆関西を拠点とした谷崎潤一郎は、上京するたび帰りは夜行列車をよく利用した◆午後11時20分に東京をたち、翌日午前11時45分に大阪へ。谷崎は朝8時ごろ目を覚まし、東京のほこりっぽい雰囲気を残していた町並みは消え、親しみ深い関西の景色に変わっていく。〈その朝の気持ちが何とも云えない〉◆ゆっくりな旅にいざなってくれた「青春18きっぷ」が、仲間同士の共用や日程の分散ができなくなる◆各地でローカル線の存廃、その魅力を伝えることに鉄道会社はあまり熱心でないらしい。〈遠ッ走りをするスピード旅行の逆を行って、狭い範囲を出来るだけ長…