残る歌舞伎座二部を観劇。今月の歌舞伎座三公演の中では一番入りが少なかった印象。それでも平日だったので、緊急事態宣言下でもあるし、まぁこれ位入れば良しとするしか現状ないのかとも思う。しかし役者は一切手抜きナシの熱演。実に結構な第二部だった。 幕開きは『身替座禅』。高麗屋の右京(最近右京と云うと水谷豊になってしまうが)、芝翫の玉の井、橋之助の太郎冠者、米吉の千枝、莟玉の小枝と云う配役。米吉以外は全員初役。高麗屋は齢八十近くにもなって初役に挑むと云う、その溌剌とした精神が凄い。そしてこの右京がまた素晴らしいものだった。 当代一の英雄役者・高麗屋にとって、この右京はニンではない。しかしこれくらいの名人…