長谷川三千子

(読書)
はせがわみちこ

プロフィール

 
昭和21年、東京都生まれ。
昭和44年、東京大学文学部哲学科卒業。
昭和50年同大学大学院博士課程修了。
埼玉大学助教授を経て現在、同大学教養学部教授。
専攻は哲学。
平成9年度、和辻哲郎文化賞受賞。
 
 

社会的発言

 
フェミニズム批判を展開。
選択的夫婦別姓の民法改正に反対。
人権擁護法案反対の集会にも参加している。
 
彼女の事実上の論壇デビュー作は、『中央公論』(1984年5月号)に掲載された文章 ―― 題名は「「男女雇用平等法」は文化の生態系を破壊する」 ―― である。その文章によれば、
1. 人間の社会においていくつかの異なった役割が必要となるとき、
2. 男女の役割分担は、役割の優劣にこだわらず互いに協力しあうための、最上のシステムであるといえる。
3. 実際、世界のほとんどの文化は、男女の役割分担によって成り立っている。
4. にもかかわらず、女子差別撤廃条約はそういった人間同士の協調と助け合いを根本から破壊し、競争と反目を生み出すことを目指している。
5. 「それが男にとっても女にとっても、いかに不幸な状態であるかは、すでにそういうことがおこりかけていることを覗いてみれば一目で見て取ることができる」。
6. 均等法は、こういった点について「正しい認識に欠けて」おり、「文化という生態的な体系にとってもっとも危険な変化をもたらしうるものなのである」。また、差別撤廃条約は、各文化の固有のシステムを無造作に「修正」しようとしており、こういった態度こそは「植民地主義」そのものであり、それ自体「侵略」であり「内政干渉」である。
と主張されている。
 
同文章では、第一に、女が「主婦」をすることが日本の文化における役割分担である、と前提され、第二に、そういった「生態的なシステム」を均等法は完全に無視している、と主張され、第三に、そのような法律の成立が将来に「空恐ろしい」影響を及ぼすかもしれない、と結論されている。

このような法律〔男女雇用機会均等法〕の出来ることそのものが、主婦の士気を沮喪させるのである。そして、士気を沮喪した主婦のもとから、どのような子供たちが育ってゆくものであるか、それはずっと先になって、取り返しのつかなくなった頃、はじめて答えが解ることになるのであろう。(86頁)

 
  

著作

 
正義の喪失―反時代的考察 (PHP文庫)
バベルの謎―ヤハウィストの冒険

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