安倍政権は、「集団的自衛権行使容認」を閣議決定した。これは、事実上の「解釈改憲」であった。安倍政権がこのような遣り方をとったのは、好意的に見れば、朝鮮半島有事が焦眉(しょうび)の急で、憲法改正する時間的余裕がなかったからだということだろう。が、それならそれで、後からたとえ時間が掛かろうとも憲法の条文自体を改正することが必要だったのではないか。その素振りさえ見せなかったのだから、反立憲行為と言わざるを得ない。 憲法学の泰斗(たいと)長谷部恭男・東京大学教授は、「集団的自衛権行使を容認した昨年〔=2014年〕7月1日の閣議決定は、従来の政府見解との関係で論理的整合性も法的安定性も保っていない。集団…