《2000年1月に憲法調査会が発足し、ようやく憲法論議が始まりました。しかし、これまでのように、不毛なイデオロギー論を通してのみ憲法を見つめるなら、憲法を論ずるせっかくの機会が十分に活かされるとは思えません。新しい時代に対応していくための改革のはずが、かえって時代に取り残され、問題に対処できない後退した憲法にされてしまう恐れさえあります》(櫻井よしこ『憲法とはなにか』(小学館)、p. 9) 詰まり、櫻井女史は、「現憲法は基本的に『良い憲法』である。が、〈新しい時代に対応していくための改革〉が必要だ」という認識なのだ。前文の<平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよ…