脱出訓練 その2 昭和30年代の海上自衛隊の操縦士訓練は、戦時教育の延長線に近いものがあった。 教官は、ほとんどが戦争経験者。 海軍兵学校、陸軍士官学校、予科練出身者、時たま、戦時中の民間航空出身者。 それぞれが自分の過去の出身にプライドを持っていた。 あいつは海兵何期生、あいつは予科練,甲だとか乙だとか、俺には良くわかない、話を担当教官から、聞いたことがある。 訓練も旧海軍の教育に近く、罰チョクや、海軍精神を教えられたものだ。 現在の教育のパワハラ、セクハラの問題の話どころではない。 しかし、激しい訓練の中にも、現在には、掛けてきた、情けや、やさしさも、沢山あった。 苦しくても、楽しかった、…