193.青い春を数えて/武田綾乃 曖昧な微笑。曖昧な返事。私が他者に見せる感情はいつだって、水で薄めた絵の具みたいに芯がなくてぼんやりしている。(p.28) 青い春を数えて (講談社文庫) 作者:武田綾乃 講談社 Amazon 少女から大人へと変わっていく中で生まれる葛藤や等身大の悩みを抱えた5人の高校生が、様々な感情に振り回されながらも成長していく、武田綾乃の連作短編集。 放送部の部室や補修で居残った放課後の教室で、平凡で何気ない会話を交わす彼女たちは、それぞれ心の奥底に漂うモヤモヤとした感情を抱えながら学生生活を過ごしている。 先輩と後輩、姉と妹、友人同士、顔と名前しか知らない同級生。関係…