「亜」を引きずっていますが、「亜父(あほ)」をご記憶ではありませんか。 「史記」に登場する「亜父とは范増(はんぞう)なり」(項羽本紀・鴻門之会)。項王(項羽)が最も敬愛した軍師、参謀の名です。 「鴻門の会」の見せ場: 范増数目項王 舉所佩玉玦 以示之者三 項王黙然不応 范増 数(しばしば)項王に目し、佩(お)ぶる所の玉玦(ぎよくけつ)を挙げて以て之に示すこと三たびするも、項王黙然(もくぜん)として応ぜず。 ここが沛公(劉邦)を葬り去るチャンスとみた范增は、項王に繰り返し「斬れ」と目配せしますが、項王は動きません。 そこで范增は配下の項荘に、ご挨拶したあとで「軍中ゆえ何のお楽しみもないので、剣の…