新潮文庫 1994年 この「飛ぶ男」は公房氏の絶筆で、亡き後にワードプロセッサー から見つかったものだと云う。「飛ぶ男」は壮大なストーリー展開 する予定だったらしいが、アイデアとしてはこのくらいの中編で 収めるくらいで丁度いいと思われる。「飛ぶ男」を空気銃で撃って、 怪我をさせるのだが、それが女で、と云うような話だ。 スーパーマンとは違うようだが、発想はスーパーマンと同じだ。 スプーン曲げをする弟も出てきたりして、その実態は超能力に あるらしい。あのユリ・ゲラーとかあの辺からアイデアが湧いて きたのかも知れない。雰囲気的には80年代を大いに引き摺っ ていると云うか、もしかしたら80年代に書き始…