映画『餌食』(1979年、若松孝二監督)を観た。 アメリカ帰りのロック歌手忠也(内田裕也)がレゲエに魅了され、日本でプロモートしようとかつての音楽仲間の仲根(鹿内孝)を訪ねる。だが、金の亡者と化してしまった奴らは彼を鼻にもかけないばかりか、かつての恋人麻美(水島彩子)を麻薬漬けにしていた。やがて彼は、ふやけた時代と人間への反発から大量無差別殺人へと走ってゆく。 内田裕也のロック魂とパンクな若松孝二が共鳴していた。 格好悪いのに格好良い。この頃の内田裕也が好きだ。ラストの無差別乱射にも繋がる踏まれた者の叫びが胸を打つ。映画全編にはレゲエが鳴り響くが、間違いなく映画はロッケンロールだった。 内田裕…