高校世界史

今回からルネサンスについて見ていきます。ルネサンスは作品を見るのが一番なので、各国の作品を紹介していきます。今回はイタリアのルネサンスについて見ていきます。 →ルネサンスでは絵画や彫刻が有名であるが、文学作品も多く作られた。 詩人ダンテは「神曲」を著し、ルネサンスの先駆けとなった。ペトラルカは「抒情詩集」を、ボッカチオはペストを題材に「デカメロン」を著した。また、少し時を空けてマキャベリは「君主論」を著した。 デカメロンの作者ボッカチオ →美術分野ではボッティチェリが「ヴィーナスの誕生」を描き、ミケランジェロは「ダビデ像」を作った。レオナルドダヴィンチの「モナリザ」もこの頃の作品である。サンタ…

前回までは中国史を見てきましたが、今回からは西洋に焦点をあて、14世紀ルネサンスの時代から大航海時代にかけてを見ていきたいと思います。今回はそもそもルネサンスとは何か、ルネサンスがなぜ起こったのかということについて見ていきます。 →ルネサンスは14世紀のイタリアで起こった芸術や文化の復興運動を指す。これは、キリスト教以前の古代の感性の復興を目指して行われた。ルネサンスは全く新しい価値観のように思われるが、中世から連続するものと考えるのが自然である。 →イタリアでルネサンスが始まった原因は大きく分けて2つある。1つは、フィレンツェなどのイタリア都市国家がレヴァント貿易に早くから乗り出しており、経…

今回でモンゴル帝国史は最後となります。今回は、元の滅亡について見ていきます。他の地域については、こちらをご覧ください。↓ sakureki.hatenablog.com →元では白蓮教（びゃくれんきょう）という宗教が民衆の間で支持を広げていた。元代に勢力を拡大した白蓮教は清代にも存続し、反乱を起こした。 →1351年、白蓮教徒を中心とする農民反乱が起こった。反乱を起こした農民たちは紅色の頭巾を身に着けていたことから、この反乱は紅巾の乱と呼ばれる。（後漢に起こった反乱は黄巾の乱である） →この反乱の中で頭角を現した朱元璋（しゅげんしょう）は民衆に支持を広げていき、次第に白蓮教徒を鎮圧する側に回っ…

元代は漢人ではなくモンゴル人が中国を支配していたため、他の中華王朝と比べて自由な気風があったと言われています。今回はそんな元の文化について見ていきます。 →西夏などの遊牧民族国家と同じく、元でも独自の言語が作成された。チベット仏僧のパスパはモンゴル語を表記するためにパスパ文字を作成した。この文字は公文書などで使用され、モンゴル語が元の公用語とされた。 パスパ（パクパと呼ぶ場合もある） →色目人が政治に重用されたため、それまで知識人階級であった士大夫の地位が低下し、もちろん科挙も無くなった。（明代に復活する） →モンゴル人支配による自由な気風は庶民文化の発展を促進した。元曲（げんきょく）と呼ばれ…

前回まででモンゴル帝国の成立と地方政権について見ていきました。今回からは中国におけるモンゴルの統治について見ていきます。ハイドゥの乱に勝利したフビライ＝ハーンは中央アジアから中国に勢力の中心を移して統治を行いました。 →ハーンとなったフビライはカラコルムから現在の北京に当たる大都（だいと）に都を移した。フビライは自らの支配地域を元（げん）という中国風の名前に変え、中国北部を支配した。 フビライ＝ハーン。クビライと表記されることもある。 →江南に残る南宋は1279年、元によって征服され滅亡した。これにより元は中国全土を支配することとなった。 元の領土（Ian Kiu作、wikipediaより） …

前回はチンギス＝ハーンのもとでモンゴルが勢力を拡大し、帝国となっていく過程を見ていきました。今回はモンゴル帝国の地方政権と元の成立について見ていきます。 →勢力を拡大したモンゴル帝国には、各地で地方政権が誕生した。モンゴル語で国家のことをウルスといい、これらの国々は〇〇ウルスや〇〇ハン国と呼ばれる。 →チンギス＝ハーンの子チャガタイは1227年にチャガタイ＝ハン国を建てた。この国はチャガタイ＝ウルスともいい、現在のトルキスタン周辺を治め、次第にイスラム化していった。 チャガタイ＝ハン国の領土（MapMaster作、wikipediaより） →ワールシュタットの戦いで知られるバトゥは1243年に…

前回までで中国史の唐宋時代が終了しました。唐が滅び、宋が建国されると、社会は一気に変化し、北方民族とのかかわり方も変化しました。宋は外交によって安定を保ちましたが、やがて靖康の変によって華北を失い、南宋が新たに成立しました。このころ北方でも大きな動きがありました。「蒼き狼の子孫」とされるチンギス＝ハーンによるモンゴル帝国の成立です。今回からは、モンゴル帝国の歴史について見ていきます。 →遼が滅亡すると、モンゴル高原で権力が空白状態となった。この頃、テムジンがモンゴル高原東北で力をつけた。 →1206年、クリルタイと呼ばれる集会の中でテムジンがハンに選ばれた。ハンとは遊牧民族の君主の称号である。…