酒饅頭(さかまんじゅう)は皮とあんこのバランスが難しいと思う。 1+1が3になる酒饅頭と出会えることはそう多くはない。 私にとって、東京・荻窪の「高橋の酒まんじゅう」(店名です)はその筆頭格の酒饅頭である。 平べったい形で、艶やかな表面から、店主のきれいな熟練の手の匂いのする、何とも言いようのない、心に刺さる外見。 酒種のいい香りが半径60センチほどを花畑にするような(表現がヘンかな)。 よく見ると、一個一個微妙に形が違う。 オーガニックコットンのような皺(しわ)。しっとりともっちりの予感がなだらかな起伏となり、思わず手で触りたくなる(ン? スベってたらごめんなさい)。 艶の奥にうっすらとあん…