物心つくのと同時に「スイミンブソク」の言葉に毎日さらされていました。「スイミンブソク」、それは母をフキゲンにするとても悪いもの。 昔から母は寝不足に極端に弱く、夜ごと子どもに訴えていました。毎夜9時を過ぎるとだんだん機嫌が悪くなり、10時になると眉間にカッとシワが入って、夜ごとフキゲンマックス。田舎で祖母に育てられた母は、お日様とともに起きて眠る生活が普通。なのにサラリーマンだった父の帰宅は毎晩早くても23時。下手をすると午前様。都会の暮らしの宵っ張りはずっと苦痛だったのかもしれません。 休みの日に、幼い私が朝早く目覚めて活動しようとすると、「もっとちゃんと寝とかんね!」 火がついたように叱ら…