●歌は、「藤波の散らまく惜しみほととぎす今城の岡を鳴きて越ゆなり」である。 鳥取市国府町庁 史跡「万葉の歌碑」の歌碑(作者未詳) ●歌碑は、鳥取市国府町庁 史跡「万葉の歌碑」にある。 ●歌をみていこう。 ◆藤浪之 散巻惜 霍公鳥 今城岳▼ 鳴而越奈利 ▼「口(くちへん)+リ」である。「今城岳▼」=今城の岡を (作者未詳 巻十 一九四四) ≪書き下し≫藤波の散らまく惜しみほととぎす今城の岡を鳴きて越ゆなり (訳)藤の花の散るのを惜しんで、時鳥が今城の岡の上を鳴きながら越えている。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より) (注)ふぢなみ【藤波・藤浪】名詞:藤の花房の風に揺れるさまを波…