戦争において兵士の殺人への抵抗感を払拭できるのは愛だと気付いた鶴見が甘い嘘で腹心作りをするようになる話。 その一方で元々殺人への罪悪感が無く戦後のPTSDにも無縁な戦士適性に優れた強い人材も中には存在することに気付く。 そういった強い戦士であったのが宇佐美であり、だからこそ鶴見は彼を重用していたのであった。 宇佐美と鶴見は同じ新潟出身であり、柔道の道場において兄弟子と弟弟子との関係性にあった。 宇佐美は貧農の子弟であったが柔道に強く、鶴見に認められることこそが、彼の存在意義だったのである。 一見すると宇佐美は第二師団の将校の息子と良好な関係を築いていたかに見えた。だが笑顔で怨恨を隠していたのだ…