1914年1月12日――桜島が牙をむいた瞬間 1914年1月12日、九州・鹿児島県の桜島で、日本近代史上最大級の噴火が発生しました。江戸時代以来約100年ぶりの大噴火は、島の地形を大きく変え、人々の生活を一変させる大災害となりました。 「朝から地鳴りが続いていた。鶏が騒ぎ出し、井戸の水位が異常に下がっていた。そして正午前、突然、地響きとともに空が黒煙に覆われた。」 噴火は瞬く間に激しさを増し、数時間のうちに大量の火山灰、軽石、火砕流が降り注ぎました。島の住民は逃げ惑い、昼間なのに辺りは真っ暗になり、まるで夜のような状態になりました。 壊滅する村々――避難者たちの悲劇 桜島周辺の村々は、溶岩流や…