宝永2年5月2日。近頃、名古屋松屋町ふと物屋(服屋)の甥が隣の子を連れてきて、参宮するから金2分を貸してくれと言った。相手にせずに叱りつけると子どもは立腹し、それならば損をさせてやると持った柄杓で溝の泥をすくい、木綿棚へとかけた。そうこうするうちに溝の中から金2分をすくいだし、これでいいからと参詣した。亭主も興ざめして同じく参詣した。