元禄4年2月11日。恵心作の阿弥陀像を大森寺へ封をした箱に入れて持って来た。文左衛門らは熱田からただちに大森寺へ向かう。後で使いの僧が来るからと持って来た者は帰ってしまう。結局は誰もやって来ず、このことが大公(光友)へと伝わる。大公が命じて封を解くと、中にはとても尊き阿弥陀の像が入っていた。添状が1通あるも名は記されていなかった。添状には、今度常念仏が建立されるとのことなのでこの仏を何とか念仏堂の片隅でいいから置いてもらいたいと云々。宝永5年5月5日、大森寺の然誉上人から文左衛門はこのことを直接聞いていた。今の客殿の本尊はこれであると云々。