文政2年。一両年、朝顔がとても流行し、いろいろな花・葉の異なる品種ができる。人が好むようになると草木もまた珍品が生まれるのは不思議なことである。5月25日、玉屋町聞安寺で会が催される。珍花・珍葉と不思議な品を飾る。6月4日にも会が催される。そのほか所々で会が催されると。3年ばかりすると全くすたれてしまい、朝顔を作るものは稀となった。
文政2年5月25日。甚目寺の鐘楼が完成し、この日5半時(午前9時)に法用(要)が行われ、一山の僧が集まる。4時(午前10時)、工匠により上棟の式が行われる。投餅、酒を参詣の人々にふるまう。