花曇りの空の下、目の前をツバメが通り過ぎていく。もうそんな季節か…お、もう一匹こっちに近づいて…いやなんかデカくね?「にいちゃーん!」ツバメに見えた影が一息に巨大化して目の前で急停止!「会いに来たよ!」地面に散った桜の花びらが舞い上がる中で、従姉妹が翼を広げてにぱっと笑った。 1.【フェザーフォルク従姉妹は渡り鳥】2024.4.9
手芸部の部長は美人で、凄く人気もある。そんな彼女からプレゼントをもらえたのは嬉しかったし、それが手編みなら尚のこと…だったのだけれど。「ご、ごめんねぇ…知らないうちにわたしの糸が混ざっちゃったみたいで…」顔に張り付いたマフラーを、アラクネの先輩が半ベソをかきながら引きはがして。 1.【アラクネ先輩は絡めとりたい】2024.3.10(一部修正あり) ーーー
畑仕事をしているとじいちゃんに呼ばれた。「おめ、結婚する気ねぇべか?」そりゃなくはないけど…んな田舎じゃ出会いもなぁ…「なら丁度ええ。おめに嫁ごさ拾ってきたでよ」…は?促されるままおずおずと現れたのは…緑色の肌の少女。「ふ…ふつつか者ですがよろしくお願いひますっ」噛んだ… 1.【俺の村にアルラウネの嫁がきた】2024.7.28
一目惚れだった。今告白しなければ僕は一生後悔する。だからすれ違いざまに彼女を呼び止めて「好きです!」と叫んでしまった。顔が熱い。視界がぼやける。ゆっくりと彼女が振り返るのが分かって…「…ねぇ」 ──あなたが好きになったのは…どの"私"? 目の前で、"只井さん"が群れを成していた。 1.【#只井さんは多々いる〜彼女たちはレギオンであるがゆえに】 ーーー
隣に住んでるコボルトの幼なじみは子供の頃から一緒で、それは今も変わらない…はずだった。「誰だ!?」目の前にいるのは見慣れたワンコ…ではなく人間の女の子。「失礼だなーボクだよボク!…ってこの顔じゃわかんないか。この前狐憑きにあってさー」待て待て情報量が多くて頭が追いつかねえ! ⒈【幼なじみはコボルトで狐憑き】2024.5.1
UFOを見たとオカ研の後輩に言ったら「ついにバレた…」と呻く。曰く彼女を監視する母艦らしい。嘘だろと言いかけたが目がマジだ…バレたらどうなる? 「お小遣いが減るっす」 …なんて? 「もう帰りに先輩とハンバーガー食べらんない…」 この世の終わりみたいな顔で宇宙人を自称する少女が嘆いた。 1.【宇宙人後輩は寄り道したい】2024.3.23
絵を描いてSNSにあげている。最近少しずつイイネとか増えだして、俺も一端の絵師かな…なんて。さて今日も…とPCに向かおうとしたら呼び鈴が鳴る。「あー!また朝ご飯食べずニ絵描こうトしてますネ?リャナンシーとして、ソレは許せませン!」先日隣に越してきたどえらい赤髪美人が頬を膨らませて。 1.【世話焼きお隣リャナンシー】2024.6.8※一部修正アリ
近所にある大きな日本家屋には、鬼が棲んでいる。「よーぅ少年、今帰りかい?」キセルから煙をくゆらせ、紅い肌の大柄な女性…鬼のお姉さんが声をかけてくる。いい加減その少年って呼び方をやめて欲しいのだけれど。「はっは!あたしにとっちゃア少年はずっと少年さね」僕もうアラサーなんですが… 【鬼姉さんは今日も僕を少年と呼ぶ】2024.5.5
放課後の部室棟は、当然というか賑やかだ。 遠くで聞こえる吹奏楽部の演奏に即興で合わせたかのようなギターの音。模型部が塗装に使うエアーコンプレッサーの音…そしてそれらをとりまく、生徒たちの声。そんな喧騒も、1階の隅へと向かう頃には随分と大人しくなって…少し薄暗い廊下の果てにある戸を開ける音がいやに響く。 「あ、こんちわっす…先輩」
おはようございます。 今日も今日とて寒いです。そして本日はお休みです。 朝が苦手で体がすぐには動かないのでゆっくりな朝です。 朝食にオートミール、白湯とチョコを食べてから一日が始まる。 今日は予定はあるようでない一日なので、難しい事を考えなくてもいい。 いい一日になればいいな。 以上、140字