映画『バッドランズ』は1958年のアメリカ・サウスダコタ州を舞台に、若い男女が繰り広げる逃避行を描いたテレンス・マリック監督の1973年のデビュー作だ。 1950年代末、ネブラスカ州とワイオミング州で若い男女が2日間で11人を殺害した実際の事件をベースにしているが、マリックは実話を題材にした際に起こりがちなセンセーショナリズムを避け、極めて独自の世界を生み出している。 また、その後のマリック作品を特徴づける壮麗な映像美や自然描写がすでにこの作品に現れているのも印象的だ。 youtu.be ジェームズ・ディーンに似ている青年キット役を、後に『地獄の黙示録』(79)に主演するマーティン・シーンが演…