主人公が、長距離を移動しながら物語が進んでいく種類の映画。
また、「ロードムービー的」みたいな形容詞っぽい用法もあり、同じような作品構造を持つ漫画やドラマなどに対してもこの語を用いることがある。
長きにわたる緊急事態宣言が明けて街に若干の安堵と拭い切れない不安が漂っていた昨年の夏の深夜、タクシーに揺られながら漠然と、人生をロードムービーのように切り取るのなら今この瞬間にエンドロールが流れているのだろうと思っていた。 歓迎会とは聞いていたけれど、帰宅予定時間を過ぎてもなんの連絡もなく、こちらからの電話にも出ない。日付を超えたあたりから胸騒ぎがしたような気もする、なので掛けた夫の携帯電話に出たのが警察だった時は驚くよりもまず何かが腑に落ちるような感覚。そして何を聞いても要領を得ない警察との会話に痺れを切らして身繕いもろくにせずにタクシーに飛び乗った。 よくわからないけれど今なにか悪いことが…