ーーーー講義録始めーーーー 戦前の女学生文化と異なり、現代の女子生徒サブカルチャーはさらに多様化しています。その代表例が制服の着こなしや意味付けの変化です。1970年代までは制服は無個性で画一的な服装と見なされ、生徒を管理する象徴とされていました。そのため、校内紛争の中で制服廃止を求める運動も見られました。 ところが、1980年代後半になると、制服は管理の象徴ではなくファッションとして楽しむ文化が生まれます。東京都内の女子高生の制服を観察し151校分のイラストを作成した森伸之氏は、1987年頃から女子高生の制服の着こなしが多様化していることを指摘しています。制服の規則を守りつつも、ギリギリの範…