新宿老舗ジャズ喫茶・DUGへ 冬になると、おれは僕になる。 その季節によって、必ず聴くアルバムや必ず読む小説がある。 作品に出会った季節や、作品の中で描かれた季節、思い出とのリンク。他諸々の理由で、作品と季節が脳内で強固に結びついているものだ。 おれの中で代表的なものだと、春はリバティーンズ、夏は避暑地の猫(宮本輝)、秋はなんだろな、で冬はノルウェイの森(村上春樹)だ。 という感じに、おれの中で村上春樹の季節がやってきた。 この時期になると「おれ」は「僕」に変わり、「おれ達」は「我々」に変わる。 先日、僕は冬の新宿をさまよい、とあるジャズ喫茶に足を踏み入れた。 偶然にもそこがノルウェイの森に出…