ラッパー。 半ば伝説と化しているイベントさんぴんCAMPを主催した。 アルコール中毒に悩まされた時期もあったが、今では立ち直り警備員をしながらライブ活動を続けている。
CCCDに対する数々の批判でも話題になった。
音楽の活動以外にも、ECDIARYや失点イン・ザ・パークなどの文筆活動も行っている。
【死んだ者】 歳月は瞬く間に過ぎる。 永遠に涙が止まらないのではないか、と思ったあの瞬間も記憶の中でパッケージにされてフォルダにぶちこまれている。 私の後輩は死んでいる。 私とは違う病だし、正確に何と病名がついていたか私は知らぬ。 病院通いしたことは知っている。 飛び降りて、一度は一命を取り留めたことも。 今年も盆の季節が来て、フォルダから記憶は出てくる。 亡くなっているから余計鮮明に出てくる。 最期の言葉は私に来た。 jahlwl.hatenablog.com 亡くなってもう二度と会話出来なくなったか、そうでなくても生死不明な人たちのことを思い出す期間だ。 三鷹にきて一緒に住まないか、あんた…
考えてみたらもう30年以上煮詰まりっ放しなんだけど、そろそろ春が来てほしいよ。 花粉症はやだけど。 ラフ×ラフの振付師でもある竹中夏海の「アイドル保健体育」(CDジャーナルムック)という本を借りる。 非常に実用的で真面目な内容。 斎藤環が「生き延びるためのラカン」の中で心酔していたと書いていた中井久夫「精神科医がものを書くとき」(ちくま学芸文庫)も借りる。これは長距離移動中の電車で読む用。 「みのミュージック」で田中宗一郎(タナソー)との対談を見て興味を持ち、「戦いの音楽史 逆境を越え 世界を制した 20世紀ポップスの物語」(KADOKAWA)も予約した。タナソーは名前しか知らず文章を読んだこ…
人生は一回で、後戻りできない。その残酷さ。そして、その横を淡々と流れていく「時間」のさらなる残酷さ、そのようなものが感じられる。文章そのものが、止まることのない「時間」みたいだ。とにかく寂しい本だった。 ラッパー、ECD。 3年前の今日、亡くなっている。著作としてはこれが最後の作品となった。 ラップを通じて断片的には知っているつもりだったが、改めて本人の書き言葉でその人生を覗き込んでみると、それを規定していたのはやはり、「個」であることに対する飢えだったと認めるほかない。 ただし、その思いは引き裂かれていた。かつて「カエルの卵のよう」と呼んで嫌悪し、自らの手で切り離した核家族というものを、同じ…
今からこの本を読もうとするとき、私たちはすでに二つの結末を知っている。つまり、2011年3月11日に何が起きるのかを。そして、この本で妻に「石田さん」と呼ばれている男が、やがて娘たちの成長を見届けられなくなってしまうことを。 しかしそのことは、本書の魅力を少しも減らしたりしない。真ん中にあるのは、あくまで「育児闘争記」だから。10年や20年そこらではこの世からなくならない、育児の苦しみだから。 だから、私にはSOSにしか読めなかったこの本が、「ラッパー妻の子育てスペクタクル生活」という帯を付けられ、「心あたたまる子育て日記です」と売り出されていたことには、10年前のこととは言え、強い違和感を覚…