消え残る思いに、耳をすませば。 まず、ユリウスという主人公の名前を噛み締めた。卒業を感じる名前だと思った。というのも、私は7月生まれだから余計に。そして、この名に帝王カエサルの名前を思い出した方はいるだろうか。暗殺なんてことが彼の周りで囁かれるような、そんな野蛮な話になるとはこの時まだ想定できていなかったけれど。 私は正塚先生が創る世界は勿論のこと、ことさら彼の作品ではデュエットソングがとても好き。たいていそれは物語の終盤を彩るため、果たして今回はどんな”ラスト”に帰結するのだろうと、トップコンビでの退団という前提からどちらかといえば明るく捉えていた。しかし蓋を開けてみれば、消え残る思いに終始…