7、赤い稲妻 新大阪駅の改札口で船橋とQに別れを告げた小関は、再びホテルに戻ろうと駅から外に出た。外は再び雨が激しく降りはじめており、雷が時々大きな音をたて、まぶしい光を放っていた。 既に時計は夜の八時を回っている。暗くなった徒歩三分の道のりをすこし小走りにホテルに戻った小関。傘は差していたものの、横殴りの雨に衣服はびしょ濡れになった。かまわず、急いで会議室に戻ると、上司の太田が一人でイスの上にふんぞり返って座っていた。 「ただいま、戻りました……」 太田はこともあろうか、靴を履いたまま二本の短い足を会議室のテーブルの上にのせ、天井を向きながらゆっくりとたばこをふかしていた。テーブルには小関達…