先日、株主通信の中でとある一文を読んだ。気候変動や人権に関する情報開示を、もっと明確に、もっと厳しく企業に求めるべきだという株主からの提案があり、それに対して企業側は「そこまでは応じかねます」とやんわりと、しかしはっきりと反対の姿勢を示していた。 そのやり取りが、なぜか心に残った。金融の現場で、何が今問われているのか。銀行という仕組みが、何を見て、何を選んでいるのか。そこから、少しずつ考えが広がっていった。 銀行の仕事は、昔も今も「お金を貸して、それを返してもらうこと」だ。それは変わっていない。けれど、何を見るか、どう判断するか、その“目線”は変わってきているらしい。 かつては、返してくれるか…