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HTML5

(ウェブ)
えいちてぃーえむえるふぁいぶ

ワールドワイドウェブ(WWW)のコンテンツを形成するマークアップ言語のひとつ。

概要

狭義ではHTMLの5番目のバージョン。広義にはHTMLやCSS、JavaScriptその他ウェブ関連のありとあらゆる最新技術の総称を指す。5番目のHTML仕様そのものは、W3CとWHATWGが共同で開発している。一言でいえば「今まで複雑だった処理がより簡単にスッキリ出来て、グラフィックや動画、音声も扱えちゃうHTML」。
HTML5は現在開発中のHTMLのうちの最新の機能などを現段階で抜き出したもの(スナップショット)の総称であり、1997年に策定されたHTML4やXHTML1、DOM Level 2などの新しいバージョンとして認識されており、より適切にWebアプリケーションに対処する。

  • 2006年まではWHATWGが主にHTML5の分野を進行していたが、2007年からW3Cと共同で開発している。*1

目的

近年、HTML 4.01とXHTML1.1、HTML5が混合して使われ、ウェブ上のコンテンツはブラウザの差で「プログラムの構文の誤り(シンタックス・エラー)」によりエラーが多発していた。
それを改善するためにHTMLとXHTMLの構文を「1つのマークアップ言語」で書けるようにするために開発されている。

HTML5は今までそれぞれのマークアップ言語が持っていた機能に加え、以前ではFlashなどで動作していたようなグラフィック描画が可能となり、より複雑なウェブアプリケーションを作成できる。
そのため、iPhoneやAndroidなど「あらゆるデバイスの垣根を越えて動作可能なモバイルアプリケーション」を作ることも可能になる。

主な技術

カテゴリー 内容 説明
セマンティックス 豊富なタグ、RDFa、マイクロデータ、マイクロフォーマットなど プログラマーとユーザーにとってより分かりやすいデータの扱いが可能に。
オフラインとストレージ ローカルストレージ、インデックス付きデータベース、ファイルAPIなど インターネット接続が無い状況でもウェブアプリの効率的な処理が可能。
デバイスへのアクセス ジオロケーションAPI、オーディオ/ビデオインプット、マイク、カメラ、連絡先やイベントなどのローカルデータの活用 ウェブアプリはよりデバイスに基づいた機能を実装できる。
接続性 リアルタイムのチャットやゲーム、コミュニケーションの効率化 クライアントとサーバー間のより効率的な接続を可能に。
マルチメディア より多彩なマルチメディア体験が可能に。
3D、グラフィック SVG、Canvas、WebGL、CSS3 ベクター描画や3D表示などが可能に。
パフォーマンス Web Workers、XMLHttpRequest Level 2 より快適で高速な環境に。
CSS3 より多彩なサイト構成やエフェクト、フォントフォーマットの多様化 サイトのコンテンツをより豊にする。

HTML5かFlashか

様々なデバイスを超えて体験できる次世代のウェブコンテンツとしてHTML5が2010年ごろから注目され始めた。

しかし、AppleのiPhoneやiPadなどのiOS上のブラウザでは今までウェブコンテンツの技術として主流であったAdobe SystemsのFlashに対応していないため、「Flashで作成されたコンテンツを楽しめない」「HTML5がFlashにとって代わるのか?」「Flashいらない!」など話題になった。

FlashとHTML5はそれぞれ違う目的で生まれたが、ブラウザ上でのベクター描画や2D描画などのマルチメディア表現の点ではある意味競合していたため、将来(モバイル)ウェブコンテンツはどちらのプラットフォームで作るべきかが問題となり、今ではFlashベースでのウェブコンテンツは減りつつある。

AdobeはFlashを強く主張していたが、現在では「Adobe Edge」というHTML5、CSS3、JavaScriptを使った、ウェブコンテンツに特化したアニメーションの作成がタイムラインベースで可能になっている。

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