Mozilla.orgがリリースする、World Wide Web ブラウザコンポーネントの正式名称。通称Firefox。
Firebirdという名前で知られていたが、0.8のリリース時にFirefoxと改名。このブラウザは通算3回目の改名となる。
2003年の半ばにMozilla Foundationが組織され、またAOLからNetscapeが今後リリースされることがないと明らかになってから、Mozilla.orgはアプリケーションスイートであるMozillaをエンドユーザ対象に方向転換することとなってしまった。
この時問題になったのが、同年4月に発表されたMozilla Branding戦略である。BrandingにはMozilla 1.5を境に開発体制をMozilla Application SuiteからFirebird, Thunderbirdへとシフトさせることが明記されていた。しかし"Firebird"という名称がすでに存在していたオープンソースのデータベースの名前として使われていたため、データベースの開発者から強い反発を受けた。そこで開発体制がシフトしたあとFirebird, ThunderbirdはMozilla Browser, Mozilla Mailと名称変更をすることにし、Firebird, Thunderbirdはそれまでの一時的な名称とされていた。
しかしFirebird/Thunderbirdがエンドユーザに提供できるほど完成されていなかったこと、Netscapeの打ち切りによるMozilla Application Suiteへのサポートが期待されたことから、Mozilla Foundationはブランディング戦略を2004年に変更し、今後もメインで開発されるものはMozilla、新しい機能などはFirefox/Thunderbirdを中心に開発していくと発表した。
新しいブランディング戦略により、それまで一時的とされていたFirebirdという名前を今後も使い続けることに問題が生じるだろうという懸念が生まれた。このため2003年の11月から、Mozillaのデベロッパーの間で新しいブランディング戦略及び、Firebirdの名称を再度変更するという動きが水面下で行われた。登録商標になっていないもの、他のプロジェクトと名称において摩擦が起きないものを選んだ結果、Firefoxという名称をブラウザの正式名称として使用することが決定し、2004年2月、Mozilla Firefox 0.8がリリースされた。