市民運動は権力との距離の取り方が難しいと思う。 --------講義録始め------- 次に、政治学者、高畠通敏先生についてお話しします。1933年生まれの高畠先生は、2004年に亡くなりました。松下先生とは同世代であり、お二人の政治学の方法論は異なるものの、同じ時代背景のもとで政治問題を研究しました。特に、市民というキーワードにおいては共通点が見受けられます。彼らは市民という言葉を、大衆社会や都市化の進行と関連付けて捉えていました。 大衆は受動的な存在とされがちですが、能動的な人間像として「市民」という言葉が使われるようになったのは、60年代の特徴として理解できます。70年代には、高畠先生…