9SのA2観察記録 ───目を覚ますと、9Sは闇の中にいた。 眼前は見渡す限りの黒。 何もない空間が無限に広がっている。 どこに何が潜んでいるか分からない、本当の闇。 しかし、不思議なことに恐怖は感じなかった。 「ナインズ」 それどころか、全身がふわふわしていた。 優しい声がする。 大好きな、あの人の声。 「2B…?」 何だかとても心地が良い。 ここは一体どこなんだろう? そもそも何故、自分達はこんなところにいるのか? 「…会いたかった」 背後から腕が伸びてくる。 黒い羽根の装飾が付いたグローブ。 2Bの腕が、自分の体を抱きしめていた。 「…僕もです。2B」 「…そう」 2Bの吐息が耳をくすぐ…