「田舎と都会」のラインは何なのか知らないが、アタシの実家は間違いなく「ド田舎」にあった。子供の頃に住んでいたのは、田舎の象徴、ボットン便所がある家屋だった。家の周辺は雑木林が繁り、謎の鳥が「ギャー、ギャギャッ」と原始時代を思わせるように鳴いていた。 そんな集落では道を歩く人らは知り合いばかりで、知らない人がいると注目の的だ。そういう「ド田舎」の家々は、玄関の鍵を掛けない。ご近所の目が光っており、泥棒はウロチョロしずらい環境だったからだ。 さて、アタシが子供の頃、近所に一歳年上のユウコちゃんという子がいた。学校が終わったら、お互いの家でママごとやリカちゃん人形で毎日のように遊んだ。 ユウコちゃん…