これまでのあらすじ 京都の某私大入学と同時に、最愛の母・すみれと大切な思い人・風間心を交通事故で亡くしてしまった柊波音(ひいらぎ・なみね)は、実家がある秩父で家族葬を終え、京都に戻る帰路、京都の母こと伯母の小此木さくらが打ち明けた話に衝撃を覚える。なんと、東北の震災で行方知れずになってしまった父の大介は、すみれと結ばれる前はさくらの恋人だったのだ。【小説「コニファー」】#00_京都の母、さくちゃん、かく語りき(初稿) 花の都は、鈍色の街 まだ肌寒い、3月下旬の朝。秩父からの帰路、夜通し走ってくれたさくちゃんの愛車のバックシートから見る限り、京都の街も出町柳の駅も一見変わりなく、賀茂川も高野川も…