グラム・ロックの雄。
Vo.&Gt.のマーク・ボランの事故死により伝説化。
カヴァーされることも多いバンド。
マーク・フェルドの音楽活動は1964年まで遡る。この時期はトビー・タイラーを名乗りいくつかのデモ録音を行っているが、デビューには至らなかった。1965年になり、ようやくThe Wizardでデビュー。この時、マーク・ボランを名乗っている。66年にはマネージメントをサイモン・ネピア=ベルに委ねHippy Gumboをリリース。その後同マネージメントにいたジョンズ・チルドレンに加入させられ、ヒット曲Desdemonaを手がける(バッキングヴォーカルも担当)もすぐに脱退。自らのバンド結成に動く。
紆余曲折を経て、1968年スティーヴ・ペリグリン・トゥック(Perc/Vo)と組みアコースティックデュオTyrannosaurus Rexとして再デビュー。アルバム3枚をリリースするも翌69年にはUSツアー中にドラッグによる問題を抱え始めたトゥックを解雇することになり、後任としてミッキー・フィン(Perc/Vo)を迎える。フィンと組んでアルバム"Beard Of Stars"リリース後、バンド名をT.Rexと短縮、エレクトリック路線を前面に押し出しRide A White Swanをヒットさせる。
その後、スティーヴ・カーリー(B)、ビル・リジェンド(D)を加えロックバンド化。エレクトリックブギーと中性的な風貌でアイドル的人気も得る。Electric Warrior(71)The Slider(72)の大ヒットを産む。
しかし、Zinc Alloy And Hidden Riders Of Tomorrowを最後に名プロデューサー、トニー・ヴィスコンティと別れた頃からグラムブームの沈静化と共にマークは新しい音楽性を模索することになる。同時期リジェンド、フィンも脱退、バンド編成を見直し、恋人であるグロリア・ジョーンズ(Vo/K)の影響を受け、ソウル路線を取り込んでいく。Zinc Alloyのころから徐々に成長していたこの路線が結実したのがDandy In The Underworldだったが、リリースの約半年後、ボランはジョーンズの運転する車で事故死する。自身の予言通り、30歳になる直前の出来事だった。