ランキング参加中小説 novels 世間からは「引きこもり中年」と呼ばれ、実家の親からは「部屋の地縛霊」と半ば諦め顔で崇められていた我輩。 そんな俺が何を思い立ったか、中古で安く買い叩いた初期型タントに荷物を詰め込み、車中泊の旅に出ることにした。 引きこもりが、車中泊。 要するに「子供部屋」というシェルターが「鉄の塊」にスライドしただけである。 引きこもりレベルとしては実質ゼロからのスタート、移動式引きこもりの誕生だ。 記念すべき初日の夜。 人目を避けるようにしてたどり着いたのは、山あいを縫う国道の脇にある、街灯もまばらな寂れたパーキングエリアだった。 初期のタントは今のスライドドアというもの…