3.5暗くて重い。街には悪がはびこり官吏たちは背任し人々は虐げられている。主人公からして陰気。バットマン/ブルースウェインはニコリともしなければ冗談も皮肉も言わない。演じるパティンソンは蒼白で、言葉少なで、表情には諦観と哀しみが貼り付き、まるで陽を浴びるとしぬヴァンパイアを演じているかのようだ。 ゴッサムは日中がないかのように闇につつまれ、必然的に真っ黒の画で、地味に市長選直前の混乱を描くこと二時間。尺も三分の二を過ぎ、素顔のリドラー(ポールダノ)が出てきた辺りから、ようやくアメコミらしき躍動が見え始めた。 リドラーは童顔で切れ者だが反社会的で重篤なパーソナリティ障害を抱えている。ホアキンある…