三つ子の魂、百まで。 青春時代に共に過ごした友人とは、何年経って会っても、一瞬で当時の自分に戻れる。 ーーー ちょっとマニアック、かもしれないお話。 あまりにも家の中でヒマだったので、数年前まで毎週のように吹いていた楽器を引っ張り出す。クローゼットの奥にあったそれは半分埃をかぶっていた。 それを見るだけで、なんだか悲しい。 私の楽器、クラリネットをこよなく愛し、高校を卒業した後も社会人の楽団に入り、上京したあとも東京で楽団に入っていた。高校の時、フルート希望だった私は、社会人の楽団に入ってから数年たっても「クラリネットなんて」と心のどこかで思っていた。けれど、突然ホンモノの音色を耳にしてから、…