『氷』【古書】 アンナ・カヴァン:著/山田和子:訳/ 筑摩書房/2015年3刷/文庫版 ¥450-(税込) bullock-books.stores.jp 前回はバラードの『結晶世界』でしたが、あの本を読んでいるとまっさきに思い出すのがこちら。アンナ・カヴァン『氷』です。 序文をSF作家のクリストファー・プリーストが書いているのですが、そこではバラードもカヴァンも”スリップ・ストリーム”というカテゴリーに入れられています。 その辺りの話はぜひプリーストの序文で。 氷がすべてを飲み込み、世界が終わりをむかえていく破滅の物語。 SF的な論理的整合性はなく、むしろ観念的な物語のように見えます。 主人…