組み込みLinuxでHDDレスマシンを
の続き。
こちらの「Smart NC/n2」という製品。64MBのCFカードにX-WindowシステムとWebブラウザ、メールクライアント(Sylpheed)、ターミナル(Kterm)、メモ帳などのソフトをつめこんだ組み込みLinux。これを使って、ノートマシンからHDDを追放し、ディスクレスマシンを作ってみる。
まず古いWindowsノート(Let's Note CF-S51EXJ8)を某所より調達。かなーり使用感があって、液晶もへたりがはげしい。スペックはこんな感じ。
CPU:PentiumII 333MHz
メモリ:64MB+128MB(メーカー純正では最大128MB)
HDD:6GB
インターフェース:USB1.1×1、モデム、PCMCIAカードスロット×1、ほか
CD-ROMドライブ:なし
中を開けてHDDをひっこぬき*1、Smart NCをさす。電源を入れるとあっさり起動して設定画面に。ただしこのままではX-Windowがフリーズするもよう。再度起動して、マウスを自動認識でなくPS/2にしてやると、正常にXが立ち上がった。PCカードのEtherも認識されており、ネットにもアクセスできる。メールもyahoo!mailは正常に読み書きできた。だがなぜか@niftyのメールが読めない。なお、かな漢字変換はCannaということになる。
Smart NCのソフトはおせじにも充実しているとは言えない。ただ、VNCをインストールしてしまえば、リモートからWindowsマシンやLinuxフルインストールのマシンへもアクセスできる。(註:というかそれ以前にrdesktopが使えますが、わたしみたいにWindows2000とか使ってると、VNCが必要だということです。)LANの中にいてメインのマシンをオンにしていれば、手元に使い慣れたマシンがあるように操作できる。いわゆるシンクライアントである。なお無線LANやAirH゛も使用可能らしい。
VNCはRealVNCを今回は利用。x86 Linux用のバイナリがそのまま使えた。手順を示すと、ダウンロードしたVNCのファイルを解凍して、必要なファイル(vncviewerとかライブラリファイルとか)をホームディレクトリの下の~/com/に置いてやる。これだけでOK。ちなみにvncinstallは使えない。/usrに書き込めないので。
さらに、~/bin/からvncviewerにシンボリックリンクをはってやると、Xの画面から右クリックのmenu→「その他」でvncviewerが起動できるようになるので便利。
■課題は
- もっといろいろソフト使いたい。エディタとか。スケジューラとか。
- バッテリが寿命来てるのでACにつないでしか使えない。
- 記憶領域の空きが小さい。(30MBぐらい。)
いくらなんでも今のご時世に64MBのCFってのはちょっと。しかもLANインターフェースが本体についてないので、ネットにつなぐ際はPCカードスロットがLANカードで占有されてしまうから、CFメモリカード等での拡張もできない。(USBにさすのはでっぱるからヤダ。(笑))
やはりSmart NCからCFを取り外して、アイアールキューブのCF-IDE変換コネクタに挿すしかないか。2枚させるものがあるので、Smart NC+512MB CFとかの組み合わせで。(追記:これ、できません。SmartNCは、CFを使ってるわけじゃなくて、フラッシュメモリのチップを基盤に直づけしてあるのでした。)あるいは玄人志向でSDメモリカードスロット付きLANカードとか出さないですか?(笑)
バッテリは、マシンが古いから消耗しているのはしょうがない。Webで確認したところ、松下ではまだこの機種に対応しているバッテリの在庫を持っているらしい。(15,000円くらい。)ものもちがいいこと。
ただし、標準では1時間半ぐらいしかバッテリは持たない。CPUが省電力機能を持たないからだろう。HDDのかわりにCFカードが挿してあるとはいえ、せいぜい2時間ほどのはず。Let's Noteはバッテリもちがいいので現在評判なのだが、まだこの頃(1998年)にはダメダメだったということか。
しかし、このままだとお遊びマシンだぞ。(笑)
*1:これをやるとメーカー保証が受けられなくなります。念のため。