Baatarismの溜息通信 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-10-25 世に民主党のネタは尽きまじ?w

郵政社長人事雑感

15:56 | 郵政社長人事雑感を含むブックマーク

すでに報じられているとおり、亀井静香金融・郵政担当相が、元大蔵事務次官斎藤次郎氏を次期日本郵政社長に起用することを発表しました。

この人事については、斎藤氏が細川政権時代に小沢一郎幹事長と関係が深く、細川政権崩壊のきっかけとなった国民福祉税導入にも深く関わっていたことから、小沢氏の意向ではないかという声も聞かれます。*1

しかし僕は、斎藤氏が大蔵省出身で、かつては「10年に一度の逸材」と言われたほど能力のある人物であることを考えると、「財務省が郵政を握った」という見方の方が重要ではないかと思います。

1990年代まで、郵便貯金の莫大な資金は財政投融資制度を通じて、大蔵省資金運用部によって特殊法人に融資されていました。その際、融資に対する金利を国債金利よりも1%上乗せすることで、郵貯事業は収益を得ていました。この上乗せ分は税金から出ていたわけです。2001年に郵貯は自主運用に変わり、上乗せ金利も打ち切られたことから、郵貯が赤字にならないために民営化が行われたわけです。


しかし、どうも今回の人事はこのような歴史の流れを反転させて、「新財投」とでも言うべき制度への一里塚となるのではないかと疑っています。かつての財投では大蔵省資金運用部が運用を行っていたわけですが、「財務省が郵政を握った」となると、日本郵政がかつての資金運用部の役割を果たすことになるのはないかと思います。皮肉にも郵貯の「自主運用」が財務省の権限を強めてしまうわけです。

もっとも僕の予想が当たるかどうかは分かりませんが、今後「郵政改革見直し」の名の下に郵貯の資金を誰が握ることになるのか、注意して見た方が良いと思います。

普天間基地問題雑感

15:56 | 普天間基地問題雑感を含むブックマーク

「溜池通信」の「かんべえの不規則発言」で、かんべえさんがこんなことを言ってました。

<10月23日>(金)


(中略)


○そもそも、国同士で決めた「日米同盟再定義」に対して、「われわれはその当時、野党として反対していた」と言ってみたり、「核の先制不使用をアメリカに働きかける」などとゴーマンかましてみたり、最近の岡田外相の発言は「アンタ何様?」という印象がある。インテリジェンス畑出身で、冷静さには定評のあるゲーツ国防長官も、「やってられね」とあきれ返っているのかもしれない。

○ではこのまま放置しておくと、日米関係はどうなるのか。過去にもドイツやフランスや韓国など、いろんな国で「親米政権からそうでない政権へ」という交代はありました。そういうときのアメリカの対応は、しばらくは様子を見る。それでどうにもならんとなったら、さすがに引いていく。今度のケースで行くと、「米軍再編はやめました。グァム移転もしません。このまま普天間に居座ります」となるのではないか。それでは国益を損なうことになってしまいます。

○新政権には、何とかこの辺の事情を学習してほしいと思います。でないと細川政権と同様に、「日米関係でつまずいて短命政権」てなことになりかねません。知らないこと知らないと、少し謙虚になって周囲の意見を聞いてみる方が良いと思いますぞ。


かんべえの不規則発言


確かに普天間基地の辺野古沖への移転は、海兵隊グアム移転などの米軍再編の一部ですから、鳩山政権があくまでも反対を貫くなら、アメリカが「だったら全部やめた」となる可能性もありますね。これはオバマ大統領訪日中止*2よりも由々しき事態です。

確かに沖縄の基地負担を軽減するために、米軍基地を県外や国外に移転しろというのは正論ですが、今回の再編が中止になってしまうとアメリカの反発が強まってしまうので、国外移転はもはや困難になってしまいます。また県外に移転するにしても、移転先の候補すら出ていない状況では実現は非常に難しいでしょう。ちょっとでも移転先候補の地名が出ようものなら、その地域の反対運動が手をつけられなくなるのは間違いないですしね。社民党あたりは真っ先にその反対運動に乗っかるでしょう。

そうなると、今後、沖縄の負担を軽減することは非常に難しくなります。


だから少しでも沖縄の負担を軽減しようとするならば、今回の米軍再編は受け入れて、むしろもう一つの大きな問題である日米地位協定改定問題で、アメリカに譲歩を迫る方が得策だと思います。地位協定改定で問題となっているのは、取り調べの際に弁護士立ち会いを認めないといった、人権の対する配慮が低い(少なくともアメリカはそう思っているでしょう)日本の捜査のあり方ですが、この問題は自民党政権よりも民主党政権の方が解決しやすいでしょうから。

*1:この話については、id:finalventさんの「元大蔵事務次官斎藤次郎・日本郵政社長: 極東ブログ」が詳しいです。

*2:もしオバマ大統領が日本を素通りして中国へ行ったら、クリントン時代の「ジャパン・パッシング」の再来となり、これはこれで困った事態ですが。

mikuramikura 2009/10/26 11:07 退官してから21年間に及ぶ渡りを批判していたのは何所でしょう。
http://benzaisen.blog64.fc2.com/blog-entry-145.html

><天下り>「渡り」退職金・報酬2億6900万円 民主指摘
>2月3日22時57分配信 毎日新聞

>民主党の細野豪志氏は3日の衆院予算委員会で、元水産庁長官の農水省OBが退職後の6団体への天下りと「渡り」で、計2億6900万円以上の退職金や報酬を得ていたと指摘した。
>元長官の天下り先の前任と後任のうち計11人も同省OBで、細野氏は「こういう『渡りルート』は氷山の一角」と政府に調査を要求した。

>細野氏によると、元長官は88年2月に海外漁業協力財団に再就職した後、今年1月までの21年間に6団体を渡り歩いた。
>4年半在任した最初の天下り先での報酬と退職金が推計で9700万円。その後、渡り歩いた5団体からの所得が1億7200万円にのぼる。

>農水省の佐藤正典官房長は前任も後任も同省OBが占めることについて「各団体が前任者同様の能力、適性を有する人物を求め、結果的に共通するものが多くなったと考えている」と答弁し、偶然との認識を示した。【田中成之】

<日本郵政新社長 斎藤次郎>
1993年6月 - 事務次官。1995年退任
1995年 - 旧大蔵省 財政金融研究所 顧問
1995年 - 旧大蔵省 社団法人研究情報基金 理事長
1995年 - 旧大蔵省 財団法人国際金融情報センター 顧問
2000年5月 - 東京金融先物取引所理事長就任
2004年4月 - 東京金融先物取引所株式会社化に伴い社長

ミスター天下り&渡り。

べっちゃんべっちゃん 2009/10/26 18:40  郵政民営化は大蔵族の小泉氏による財政投融資の郵政省から切り離しなので、大蔵省が郵便貯金を完全掌握したという意味では、今回の人事は当初の目的からは外れていない、と八幡和郎氏が指摘していますね。
http://www.yawata88.com/jiji17601.htm
 私もそうなんじゃないかと思います。

 それにしても民主党政権になってから財務省は飛ぶ鳥を落とす勢いですな。こりゃ臨時国会が終わったら本予算も削りまくられて85兆円くらいになってしまいそうですね。順序としては民主党に従来の予算を削らせた上で、財政破綻で脅してマニュフェスト項目もなくすということになるでしょう。

 やっぱ常軌を逸した自民党バッシングも財務省の一部(全部とはいいませんが、景気対策に協力した人たちもいるわけですので)の差し金だったんでしょうかね。経済対策として麻生政権から去年と合わせて合計20兆円を引き出さされたのがよっぽど悔しかったんでしょうね。

 それにしても民主党と財務省っていつの間にこんなに仲良くなったんでしょうか。日銀人事でてっきり敵に回したと思ったのですが。日銀人事でほされた武藤さんは、財務省でも緊縮財政派とは別の派閥に属していたということなのでしょうか。

BaatarismBaatarism 2009/10/26 23:32 >mikuraさん
みんな指摘していることですが、今回の人事はこれまでの民主党の「脱官僚」の方針を完全に覆すものですよね。特に日銀総裁人事の時との違いは明らかです。
これで鳩山政権の支持率がどれだけ落ちるか見物かもしれませんね。ひょっとしたら安倍政権の時の「造反組復党」に相当するものになるかもしれません。

>べっちゃんさん
確かに郵貯を郵政省から大蔵省に移す動きだと考えれば、小泉郵政民営化と今回の人事は一本の線で繋がりますね。
財務省は一度対立した相手でも、利用できるならば利用するという考え方なのでしょうね。だから日銀人事で煮え湯を飲まされても、取り込めるならば取り込むのでしょう。このしたたかさが財務省の恐ろしさなのでしょうね。
何しろ政治家から怒られれば怒られるほど、自らの存在価値を確認してほくそ笑むような人たちですから。

まぐまぐ 2009/10/28 20:33 孫崎享氏(元外務省国際情報局長)によれば、かんべい氏の認識とは様相を異にしています。
ソ連崩壊後のクリントン政権による日本バッシング(米国の最大の脅威は日本経済)に対して細川政権の下で出されたのが樋口レポートであり、これにより日本は国連中心主義に舵をきる選択肢を作った。あわてたアメリカがナイらにより、日本を日米基軸に引き戻すべく工作をしたというのが実情だそうです。
ちなみにこのゲーツが当時のCIA長官であり、ソ連崩壊によるCIAの存在価値の低下を憂い、日本経済の脅威を訴えたそうです。

また、孫崎氏によれば、そもそも日米安保条約は日本が西側陣営に留まる事、基地を提供する事、戦略(核)兵器を持たない事、とのバーターで結ばれたという事(これはマイケル・グリーンも認める事)またケント・カルダーの「基地の政治学」では最も重要なのが日本の基地と言っている事。
これらを考えると、日本が一方的にずるずるとダンピングして来た歴史に慄然とする。
いまや米国の機嫌を損ねる事が日本の国益を損なうというような様相にすらなっている。
一体、このような意見の持ち主はどのような利益の下に動いているのでしょうかね。

お伊勢参りお伊勢参り 2009/10/29 00:49 普天間基地の件ですが、鳩山政権がこのことに無定見でダッチロールを起こしていることは明白ですが、わが日本の、日本人の存念はどこら辺にあるのでしょうかね?
北朝鮮、中国の脅威については引き続き米国の軍事力(核兵器ではない通常兵器!!)に依存しつつ、中東への軍事作戦寄与は反対し、自衛隊の防衛力、法的制限は今までどおり。米軍は基地を減らすか国外にもっていけばよい。移転先など知ったことじゃない。また日本の刑事警察の捜査手法の前近代性は外国にトヤカク言われる手合いのものではないので、婦女暴行等容疑者は日本警察が取り調べるのが当然(映画「それでも僕はやってない」には共感するが米国兵は別)。
というようなところですか?こんな主張した日にゃー国だろうが企業だろうが私人だろうが、まともな交渉にはなりませんわな。
じぶん家のことなんだから、不幸な歴史を少し脇において、社会常識、国際ジョーシキで取り組むべき時期にきているのでは?

taka234taka234 2009/10/29 21:41 お馬鹿な有権者と同じく口先で丸め込めると舐めてたら激怒されてしまいましたなオチではないですね。
今日も「思いやり予算」削ると言いつつ、「重包的な友好関係を米国と築くと宣言」なんてダブルスタンダードやってましたよ。
閣僚は言ってることバラバラで沖縄県の知事や市長から日替わりランチの如く言葉を変えるなと苦情が出る始末。
口先で友愛と言いつつ中指立てたり臑を蹴ったりする輩の言葉なんて誰が信じるのでしょうか?
岡田さんが事前(11/6)に事態収拾の為渡米するそうですが、ブブ漬け出されたり門前払いされてもおかしくないですねぇ……。

buverybuvery 2009/10/30 11:34 約束をすべて守れというのなら、思いやり予算は合意しているわけではないので、全額なくして結構なはずです。そもそも、条約上の義務でもない。F22は米国でも不評であるので(オバマ大統領も予算を切ろうとしています)戦闘機を欧州から購入する、MDの予算を廃止する。いろいろ交渉に使える選択肢はあります。
鳩山総理がどのくらい人が悪いのかは分からないのですが(人がよく見える)普天間をおとなしく返還してもらって、とりあえず嘉手納に統合してもらうためには、いくつかカードを見せる必要があるのでしょう。そんなことより、本当は横田基地と空域を返せという必要があるのじゃないのでしょうか。米国大使館の賃料くらい払えというのが先なのでしょうか。北方領土ならピーピーうるさくいう右翼人士も、東京の目と鼻の先の横田基地はそのままで良いのでしょうか。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b163002.htm

buverybuvery 2009/10/30 11:45 『日本の刑事警察の捜査手法の前近代性は外国にトヤカク言われる手合いのものではないので、婦女暴行等容疑者は日本警察が取り調べるのが当然』など、自虐的なことを書かれていますが、殺人だろうとなんだろうと、それが当然です。手法の話はまた別のこと。
米国のお手本にならって、グアンタナモ流に(もくしはバグラムかアブグレイブ)はしませんでしたが、良かったのでしょうか?とでも聞いておけば十分です。ちなみに、オバマ大統領が来日した時には、ジャーナリストの方々にグアンタナモ基地はいつキューバへ返還するのか聞いてほしい。ほんとに。グアンタナモの捕虜収容所を廃止すると言ってはいますが、基地を返すつもりはさらさらないんです。

まぐまぐ 2009/10/31 08:58 親米保守派の国益観とは何に基ずくものなのだろう?
小泉政権時代は明確に、日米共同による中国、北朝鮮の封じ込み戦略だった。しかし、アフガン・イラク戦で米財政は大きく悪化しネオコンは米外交からは退場した。
ブッシュの戦略に丸乗りした日本の戦略は惨敗した。しかし親米保守派はこの惨敗を総括できずにいる。せいぜい岡崎の「失敗は誰にでもあり得る」という開き直りしかなかった。
総括も出来ない親米保守派は、日米による中国の封じ込めという儚い夢に縋りながら、だらだらと対米気遣い路線を続けているというのが現状ではないか。しかし中国が米国の政治パートナーとなりつつある今、米国に忠誠を尽くすという事は日本は税金を浪費しながら米中の世界戦略に利するものになりかねない。

未来がないから、イデオロギーにたよるしかないが、そんなものには一部の好事家にしか支持を得られず、親米保守派は共産党並みのマイナーな存在に落ちぶれて行くのだろう。

ト 2009/10/31 11:37 横レスだけど
>親米保守派の国益観とは何に基ずくものなのだろう
戦前の日英同盟失効が日本の孤立に結び付いたんじゃね?→我が国ではグレートゲームや大戦略レベルの概念を打ち立てて進めるような全体の舵取りとして意思の統一をするシステムが無い→そういう事は宗主国か世界リーダーに依存し寄生するしかないんじゃね?
天皇は君臨すれども統治はしないし、首相の提言や指導要綱は尊重されるけどどうかすれば与党内だけでなく閣内でも平気でちゃぶ台返しされる。では指導層だけでも方針の統一を諮ろうとしても内部の不定形な哲学・理念が違うから直ぐにほころぶ。
政治家・選挙権のある国民に事実上機会主義的な人が多数派で、普段から自分の言葉で哲学や理念を語り更に整合性もあるという事がスタンダードになり得ていないなら、外部の権威に頼らざる得ないんじゃね?
まぁそれは米国である必要は無いけど、一番今日は現実的な選択だと思うよ。

BaatarismBaatarism 2009/10/31 15:16 >まぐさん
そもそも普天間基地移転の合意は沖縄の基地負担を減らすために日米が長年交渉してきたものですから、「日本が一方的にずるずるとダンピングして来た」とは言えないのではないでしょうか?もしそうだったら、アメリカが普天間を手放すこと自体ありえなかったはずですから。

>お伊勢参りさん
全体を米国側の視点から見ると、そうなってしまいますね。
ただ、沖縄の基地負担を減らすことと、自衛隊の防衛力、法的制限や捜査手法の前近代性を変えられないことは、同列に論じるべきか疑問ですが。前者は納得できる部分も大きいですが、後者はそうでもないですから。

>buveryさん
現実を見れば、日本の軍事力はアメリカには遙かに及ばないですし、日本単独で中国に対抗できるわけでもないですから、どうしても安全保障では日本は弱い立場になってしまいますね。
そのような状況で日本としてせめて何を守るべきなのか、そこが曖昧になっているような気がします。

>まぐさん
中国が米国の政治パートナーとなりつつあるのなら、米国につこうが中国につこうが、結局日本は両国の下に置かれてしまうことになり、同じ事ですよね。
ただ、そう簡単に米中がパートナーになれるとも思えませんし、アフガンやイラクで失敗しても依然としてアメリカは世界一のスーパーパワーですから、日本ももうアメリカに頼っても無駄という状況ではないと思うのですが。

>トさん
確かに日本はそんな感じですね。日本が外部の権威を頼らなくなったら、内部の異なる哲学・理念に翻弄させられたあげく、その矛盾を外部におっかぶせて、悪い方向に突き進むのではないかという懸念がありますねえ。

お伊勢参りお伊勢参り 2009/10/31 23:12 10/29付コメントの表現方法が適切でなかったようですのでお詫びします。
ただ、私のコメントの意図は次の3点のつもりでした。(1)国でも企業の経営でも「バランスとシフト」(現状とその問題点を認識しつつ運営責任を負う者として現実と折り合いをつけながらヤリクリする覚悟と、あるべき方向へと粘り強く組織をリードし内外に働きかける信念)が必須の視点・素養であること、(2)そのための「ネゴシエーション」の前提には、国家の主人である国民の"覚悟"(10/29付では「存念」としました)がもっとも重要であること、(3)交渉においては「敵を知り己を知らば百戦危うからず」であり、相手の視点・事情を知り、こちら側が成熟した戦略・戦術家になることが問題解決の王道だということです。
(1)の点は、大徳寺の故立花大亀老師の「従流志不変」ということと同じ意味合いです。
(2)の点は、国民の覚悟が醸成(マジョリティにいたらずとも一定の支持を得る見解にまで)されない限り、どこまで強気にでれるのか?に迷いとブレを呼び相手に足元を見られるからです。
覚悟に当たっての基本認識として、国力が80年代のように日の出の勢いとはいいがたいこと、近隣国家の脅威があること、太平洋をはさんだ米中2大国のハザマ(一方は自由・民主という価値観で近く、一方は地理・文化で近い。そしてともに"中華思想的ヘゲモニー"をもつ2国)の島国であること、といった点も当然考慮にいれる必要があります。
これらの前提条件を踏まえつつ、やりたいことをどのように着手していくのか?が大事なのです。
(3)の点をご説明します。米軍再編があったとはいえ、普天間基地移設の話はあの不幸な少女暴行事件が推進力のひとつになったことは誰の記憶にも鮮明でしょう。とはいえ、米軍基地が沖縄を核に有機的に運営される現状、その「リング」の一部を設計思想なく政治的に切るのなら、減少するパワーの穴埋めがいります。それは別の米軍がするのか?自衛隊がするのか?という点。また同盟という生き死に共にする結びつきで、ヤンキー、ゴーホーム。でも命をかけて守ってね。が通用するものか?特に米国といっても外交当局と軍部とは立場がことなります(誰でも部下を死地にやりたくないでしょ?)。さらに、基地がダメなら地位協定を、という考えにおいても日本の刑事警察は先進国よりも低開発国の民権度に近い、という米国側の認識が底流にあることは認識しておくべきことでしょう。刑事容疑者になったら誰でもその主権国家の警察が捜査する、というのが当然でありたい、と思うのは私とて同じなのです、buveryさん。問題はこのギャップをどう解消していくのか?という現実を見据えた意志力です。さらには横田基地の空域や、米大使館の地代とてやりたいことは数あれど、経営的視点でそこまで風呂敷(交渉の分野)広げます?ということです。これでは、アベ元総理の「戦後レジームの脱却」とナイーブさでは大差がなくなってしまう気がしています。
それゆえ、国家の主人としての存念やいかに?と問うのです。この覚悟なり共通理解があれば、普天間基地移転に対する局面や、今後の日米の安全保障外交に横たわる諸々の交渉とそれに派生する各種の準備・措置等の政策が大きなうねりとして動き出す、と考えた次第です。
以上長々と言い訳がましいと自認しつつ、私の主張を申し述べさせていただきました。失礼しました。

まぐまぐ 2009/11/02 09:43 >外部の権威に頼らざる得ないんじゃね?
まぁそれは米国である必要は無いけど、一番今日は現実的な選択だと思うよ。

一応、賛成。そして、それは中長期的に見て、アメリカよりも国連にするのがリスクが低い。なぜならBaatarismさんのいうスーパーパワーは「不安定の弧」に対するアプローチの拙さから、この地帯を秩序化するどころか不安定化を促進している。また日独伊を除く米軍基地も反米運動にさらされ、存立基盤の脆弱さが指摘されている。米の世界戦略に日本が丸乗りするのは税金を浪費する愚かな行為といえる。このままでは中長期的にみてこの地帯は中国の強い影響力下に置かれるだろう。

日本の安全保障は、一国平和主義を拡張した国連中心主義、核の抑止力たる日米安全保障、攻勢防御を強化した自律的軍事力の三本立てで臨むべきだと思う。そしてこれらのトレード・オフを緩和するのが日本の経済成長であり、日本が経済大国であり続けるのが最大の安全保障策というオチになる。

Baatarismさん
>そもそも普天間基地移転の合意は沖縄の基地負担を減らすために日米が長年交渉してきたものですから

アメリカにはアメリカの財政事情があります。
思いやり予算や日本人労働者の質の高さがある故に日本の米軍基地が維持され、米軍の再編が実現できるという側面があります。
また、旧政権の土建利権やグアムの基地建設まで日本が金を出すなどという「思いやり」の上に成り立つ合意は反故にされて当然だと思います。

ト 2009/11/02 20:07 もう一回だけ横レス。
>中長期的に見て、アメリカよりも国連にするのが
ところがどっこいこの国連もちゃんと機能するのかどうか?国連の健全な運営とは?日本がそれにどの程度関われるか?その意思があるか?未だジャイアンアメリカ一国相手にしてる方が楽だったりするw小さいジャイアンが跋扈する未来の国連主導世界ではただでさえ少ない自己主張でタフさに欠け焦点が定まらぬ日本の席は無いとか思ったりする。
その課程ではたぶん日本は極東地域でのアメリカのプレゼンス後退をサポートしつつ、自身小さなジャイアンを目指すのか、国力が減退して存在感を無くす自然死方向へ向かうのか決めなければならなくなるでしょ。表面的には現在のハト政権みたいに思慮する事も無く全体には意味の無い決断や舵取りを行なって、気が付けば国ごとパッと消えてしまうという事もあるかも知んない。

まぐまぐ 2009/11/03 02:51 >ところがどっこいこの国連もちゃんと機能するのかどうか?

機能しない事も含めて、リスクが少ないと言っているのだが。

まぐまぐ 2009/11/03 09:33 >表面的には現在のハト政権みたいに思慮する事も無く全体には意味の無い決断や舵取りを行なって、気が付けば国ごとパッと消えてしまうという事もあるかも知んない。

小沢氏の権力集中ぶりや、内閣法制局への権限縮小化、そして以前の大連合未遂を考えると、3分の2を獲得して憲法改正を行う事も視野にいれていると思う。
国連中心主義による自衛隊派遣の合法化なら、なんとか合意を得られるのではないかと思える。
ここら辺の所が安部ちゃんのナンチャッテ憲法改正とは違うところ。政府はしばらくは試行錯誤するが、党のマネージメントはさすがにエグイ。問題は経済政策だな、Baatarismさんのいう財投による積極財政→財務省主導による増税というのが最悪ではない選択肢
かもしれない。その意味で亀井氏もエグイ。

BaatarismBaatarism 2009/11/03 15:02 >お伊勢参りさん
国際政治では自分が望むことを全て行うことは不可能ですからねえ。アメリカでもそれは出来ないでしょう。その状況の中で何を重視するかが重要なのでしょうね。

>まぐさん、トさん
日米同盟よりも国連を重視せよという意見を聞くと、第一次大戦後に四カ国条約が締結されて日英同盟を解消した後、日本が国際的に孤立していった歴史を連想してしまいます。
日本にとって最も避けるべきは国際的孤立だと思うのですが、日米同盟解消は孤立のリスクを増やすことにしかならないというのが、僕の考えです。

まぐまぐ 2009/11/04 07:10 >Baatarismさん
「日英同盟の解消」を ネットで調べると、岡崎を始めとして多くの保守派の論客が同様の事を主張していますね。
これはローマ帝国にも譬えられた米国が今は英国のように斜陽を迎えているとの認識なのでしょうか?どうも機会主義的な感じがします。
それはさて置き、国連重視は「周辺」をむやみに拡大しない事を意味し、極東は日米安保を重視します。また、日米の利害が異なる限りにおいて、日本の自律的な軍事力が作動するというものです。
これが日米同盟の解消に繋がる経路が今一つ理解できません。

さて日英同盟に戻ります。
英がアメリカとすれば、米は中国なのかが問題となります。
むしろ中国はロシア帝国なのではないかと私は思います。
中国が膨張主義を取る限り日米にとっては共通の脅威となります。
ところで、小沢氏はクリントン国務長官に、中国の民主化が日米にとって共通の利益との認識を示し意気投合したという事です。
中国がソ連になり分裂しロシアとなれば、中国の脅威は半減します。また、日英は対等の同盟だった事を考え、日本が憲法改正して
一国平和主義(鎖国)から踏む出す可能性のある民主党政府は明治政府に譬えられます。実質的日英同盟はこれからとも考えられますね。また、当時の戦いが植民地獲得であるならば、今後の戦いはソフトパワーの戦いかもしれません。
すると、米に匹敵するのは信者数が世界一でなおかつ増加し続けているイスラム圏かもしれません。
まあ、譬えは如何様にも解釈できるという事です。
いずれにしても、将来の米となるものとは戦わないというのが肝要だと思います。

ト 2009/11/05 00:18 この辺、正直言って日米双方とも交渉で同盟の負担や利得を有利にするために中国の存在を利用してるのが主で、それ以外は従じゃねーのかなぁ。ただ社会党や左翼、或いは総連などを口実にしてた冷戦時の交渉ほど中国の脅威や取り扱いって、当の米国の方針が腰が引けてる以上アピールしないっしょ、中国ってまぁー陸軍国だし。

buverybuvery 2009/11/05 07:08 Baatarismさん:『現実を見れば、日本の軍事力はアメリカには遙かに及ばないですし、日本単独で中国に対抗できるわけでもないですから、どうしても安全保障では日本は弱い立場になってしまいますね。
そのような状況で日本としてせめて何を守るべきなのか、そこが曖昧になっているような気がします。』

米国が中国に対する抑止力ということになっていますが、この抑止力、現実には一度も使われたことがありません。尖閣諸島においても、米国は知らぬふりをしておりますし、北方領土や竹島ですら、知らぬふりです。もちろん、武力で解決すれば大変な問題なるからですが、こういう小さいことですら米国は行わないのに、米国が中国(北朝鮮)からの日本への核攻撃に対して報復してくれるとかいうのは、単なるフィクションじゃないのでしょうか。『核の傘を断る、断らない』という議論がしばらく前にありましたが、使わないものを議論しても仕方がない。

通常戦力において、米国と共同することはまだ日本の利益になると思いますが、米国がどこまでも(特に核攻撃から)日本を守ってくれるというのは、幻想にすぎないと思います。

buverybuvery 2009/11/05 07:22 お伊勢参りさん:『また同盟という生き死に共にする結びつきで、ヤンキー、ゴーホーム。でも命をかけて守ってね。が通用するものか?』

私は、日米安保というのは、第一義的には日本をアメリカの攻撃から守るためにあると思っています。
他の人の書いていた、親米保守(例えば岡崎久彦)の深層も結局同じことなんじゃないかと思います。アメリカの顔をたててそうおおっぴらには書いていませんが、彼の本を数冊読むとほとんどそう言っています。

本音でいえば、アメリカが日本を外部の攻撃から守るのは、アメリカの国益にかなう時だけで、それ以外の時は守りません。逆に、アメリカは日米安保がアメリカに有利な時は日米安保を続けます。ヤンキー、ゴーホームなど言わなくても、経費削減のためにいずれは在日兵力を減らすでしょう。日本としては、諸般の経済事情に基づき、思いやり予算を減らして、後押ししてやることができます。

北朝鮮は韓国には脅威ですが(少なくとも被害を受けるという点で)、日本には脅威ではありません。北朝鮮の現政権を中国とともに安楽死させることができれば、さらに在日米軍は縮小できます。

buverybuvery 2009/11/05 07:41 お伊勢参りさん:『基地がダメなら地位協定を、という考えにおいても日本の刑事警察は先進国よりも低開発国の民権度に近い、という米国側の認識が底流にある』
米国側がそう思っているのは事実かもしれませんが、それは、米国側の無知と差別意識に基づきます。それに日本側から配慮してあげることはありません。『いくらなんでも、日本はグアンタナモ流に被疑者を拷問するような流儀ではありませんよ』と書いたとおり、米国は自分に対する基準と他国に対する基準は違います。

例えば、米国は第二次大戦以後、(日本をあれだけ責めた)宣戦布告と一度もしておりません。ベトナムの北爆もトンキン湾事件をでっちあげて行いましたが、その責任はどうなったのでしょうか。いまでも、パキスタンではミサイルでガンガン暗殺していますが、その責任は知らんふりです。先日クリントン長官がパキスタンに訪問した時、『無人機ミサイルによる暗殺はテロではないのか?』と聞かれて答えられませんでした。そもそも、米国が取り調べをする時は、レンディションといって、国境を越えて外国人を拉致誘拐し、アフガンのバグラム基地や、その他微妙な国(例えばシリア)へ送って拷問しています。目的が若干違うとはいえ、北朝鮮の拉致とやっていることは同じです。

ただ、別の問題として、弁護士の同席や、取り調べの可視化などはデジタル時代に低額でできるようになってきましたから、進めていくべきでしょう。米兵のためではなく、日本のために。

buverybuvery 2009/11/05 07:51 Baatarismさん:『日米同盟よりも国連を重視せよという意見を聞くと、第一次大戦後に四カ国条約が締結されて日英同盟を解消した後、日本が国際的に孤立していった歴史を連想してしまいます。』

私も同意見です。国連『も』G20『も』重要ですが、日本は米中露に囲まれている地理条件からは逃れられませんから、アメリカがもう少し落ちぶれないかぎり、まだ日米安保の重要性は続くと思います。
ただ、中長期的には、自主防衛と改憲、他の広域な同盟関係(例えばNATO)、中国との軍事交流など他にも投資する必要があるのではないでしょうか。

buverybuvery 2009/11/05 08:07 まぐさん:『米の世界戦略に日本が丸乗りするのは税金を浪費する愚かな行為といえる。』

同意します。米国は自国で絶対にファイナンスできなくらいの巨額の軍事費を使い、世界中で戦争をしておりますが、日本のような小国にはそんな力はありません。最近は米国ですら、無理になってきております。私は、できる限り紛争地域への海外派兵を避け、被爆国とか、平和主義とか、反省を押し出して、バカと言われようと、自由貿易を確保する道を探るべきです。そういう意味では、ソマリア沖よりはマラッカ海峡の海賊対策を支援するとか、貿易に役立つことをすべきです。

まぐまぐ 2009/11/06 07:11 buvery さんとの相違は軍事力を梃子とする外交力をどのように評価するかの違いですね。北朝鮮の脅威にしろ、中国の脅威にしろ、北朝鮮が核ミサイルを現実に日本に撃ち込む可能性は低いし、中国には日本本土に全面的侵攻をする能力も意図もない。
あるとすれば、外交と国境争い上の優位性。

>バカと言われようと、自由貿易を確保する道を探るべきです。

基本的には同意なのですが、選択肢は多く持つというのが私の持論です。その意味で、米中の出方次第では、長期的には日本がいつでも核武装できるように原潜の開発も必要と考えます。
このような考え方をすれば、フランス、ロシア(無理か)との戦闘機の共同開発も、一つの布石となりますね。